海外ランドスケープレポート
University of Illinois at Urbana-Champaign
(イリノイ大学)
篠原千尋さんの留学レポートU(Q&A)

-Q1-
数多くある大学の中から今の大学に決めた理由は何ですか?(私は今のところワシントン大が良いかと思っていますが、授業料の高さで悩んでいます。)


私が大学を決める時点で考慮した点は、TOEFL、SAT、GPAの条件、ランドスケープ学科がある学部のレベル、学費、学校のサイズなどです。そのなかでとりあえず5、6校に出願し、合格通知が来たあとに一番上記の点のバランスがとれているところを選びました。

今通っている学校(University of Illinois at Urbana-Champaign)は生徒数が約3万の総合大学で、ランドスケープ以外でも色々興味のあるクラスが提供されていたこと、ランドスケープアーキテクチャープログラムに歴史と定評があること、同じくらいのレベルの学校の中で一番学費が安かったことの3つが直接の決め手となりました。

また、イリノイ州は私の出身地(札幌)と気候も似ていたので、将来帰国した際にこちらで学んだことが応用しやすいのではないかという点もありました。

もしサーチエンジンをお探しでしたら、http://www.fastweb.comが一番使いやすいのではないかと思います。学科やロケーション、学費など条件別に学校探しができ、色々な奨学金もサーチできます。


-Q2-
今の大学を選んでよかったですか?感想などお聞かせください。

基本的に良かったと思っています。ランドスケープ学科自体は小さく、一学年40人程度なので、教授や助手の方々と話がとてもしやすいし、大学は大型なので数え切れない程たくさんのクラスがあります。

スタジオには各自大きな机と製図台が支給され、コンピューター機器もかなり充実しています。 街の人口は5万人ほどでその多くが学生と大学関係者のため治安も良い方だと思いますし、スタジオや無料の交通機関は24時間使えます。

図書館やコンピューターラボもたいてい24時間か真夜中までは開いているので、学ぶための環境はかなり整っていると思います。

ただ、学校が大きなだけに海外留学生に対するサービスはあまり親切とはいえず、経済援助が全く受けられないこと、大学中心の街なので周りにあまり「遊べる」場所がないことが欠点だと思います。 遊ぶ場所があったところで、課題に追われて時間がないのかもしれませんが・・・。


-Q3-
授業料その他で年間いくら位かかっているでしょうか?(大まかでおわかりになる範囲でもし宜しければお答え下さい。)また支払いについてはどちらかの奨学金などを受けていますか?自費で払っていますか?

州外に住民権を持つ学生(もちろん留学生も含まれます)はかなり割高な学費を払わなければなりません。 具体的には、私の払っている授業料は一学期に約5700ドルです。寮に住むならさらに約2000ドル上乗せになります。

寮の設備は異常なほど整っていますが、そのぶんやはり高いし、休暇中は追い出されます。
私は友人と2人でアパートに住んでおり、家賃は一人月260ドルです。ただ他の学生の話を聞くとこれはかなり安い値段だそうです。

それから健康保険や諸経費が1学期600ドルほどで、授業料と一緒に払います。ですから一年間として計算すると全て二倍になります。

学校には留学生のためのローンも奨学金もなく、学校外の小さな奨学金(たいてい500ドル以下です・・・)を調べて応募したりして学費の足しにしていますが、これは毎学期もらえるわけではないので、一概にいくらとは言えません。 基本的にはすべて自費と考えたほうがいいと思います。


-Q4-
就職について。アメリカで就職をお考えですか? もしそうでしたら就職について難易度など教えて頂けると有難く存じます。

私は来年の春卒業予定なので、今は就職活動のための履歴書やポートフォリオ制作の真っ最中です。
まだ具体的な活動を始めていないのであまり状況は把握できていませんが、いくつかオフィスや会社を訪問したり、聞いたりした限りでは、現在のアメリカのランドスケープ業界はかなり忙しく、景気は良いようです。 ちなみに去年のASLAの調査では、BLAの就職率は、大学院進学希望者を含めなければほぼ100%、平均初任給は3400ドルだそうです。

予定ではこちらでまず就職し、最低でもライセンスを取るまで働くつもりです。 留学生であることで心配な点は、やはり語学と就労ビザですが、去年卒業した中国からの留学生の話では、言語能力よりランドスケープの能力の方がずっと大きな比重で問われるし、しっかりしたランドスケープの能力があれば、ビザの取得に問題のない会社に就職するのも難しいことではないということです。教授の方々も協力すると言ってくれているし、私自身は結構楽観的に構えています。

就職についての情報を集めて行く中で気付いたのは、インターンの経験とコンピューターソフトを扱う能力によって、かなり選択の幅が変わるということです。

今の時点で私がYさんにアドバイスできるのは、最低でも一度は夏の間にインターンを経験したほうがいいということと、ソフト、特にこの業界でよく使われるCAD、Form-Z、GIS系は学生のうちにしっかり使いこなせるようになったほうが良いということです。

海外留学レポートへ